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スマートビルとは

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スマートビルとは、機能を後から足せること、データに基づいて制御できること、建物の外と連携できることの三つをすべて持つ建物です。これは、2023年5月31日のガイドラインが定義として置いた条件です。同じ文書は、その時点で国内に業界共通の定義はまだない、とも書いています。

点で描いた建物の上に、通信や電力、太陽光などの記号が並んだ図

この記事の要点

  • IPAのガイドラインが定義として置くのは、機能を後から足せること、データに基づいて制御できること、建物の外と連携できることの三つです
  • 一般的な理解として挙げるのは、クラウドやIoT、AIで、これまでの設備制御では難しかった省エネや快適性を実現するビルです。省エネの等級は、定義の三つに入っていません
  • 仕組みは、フィールド層、データを共有する層、アプリケーション層の三つです。真ん中がビルOSです
  • 既存は、システムごとにデータを持っている状態から、共通のデータの形へ寄せる、とガイドラインは対比しています

ガイドラインが置く三つの機能

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデジタルアーキテクチャ・デザインセンターは、2023年5月31日に「スマートビル総合ガイドライン」第1版を出しています。国内に決定的な定義はまだない、と本文に書いたうえで、定義として次の三つをすべて持つ建物を置いています。建物の内外にある機器や空間やデータを組み合わせ、機能を後から足せること。抽象化したデータを使い、データに基づく制御ができること。建物の間の連携のように、外とつながって、関係者に価値を返し続けること。IPA「スマートビル総合ガイドライン」第1版(2023年5月31日)

同じ文書が一般的な理解として挙げるのは、クラウドやIoT、AIを使い、既存の設備制御では難しかった高度な省エネ(脱炭素、気候変動への対応)や、快適性、利便性を実現するビルです。ロボットやAIを入れたビル、という側面もある、としています。一般社団法人スマートビルディング共創機構は、このガイドラインの定義に沿って説明しています。スマートビルディング共創機構「スマートビルディングとは」

仕組みは、三つの層

システムアーキテクチャのガイドラインは、スマートビルを三つの層に分けています。建物の躯体や設備、センサはフィールド層です。そこから届いたデータを抽象化し、保存し、管理するのが、ビルOSなどのデータ共有・管理層です。集めたデータでサービスをするのがアプリケーション層です。アプリはビルOSを介してデータを取り、設備への指示もその層を通ります。IPA「スマートビルシステムアーキテクチャガイドライン」第1版(2023年5月31日)

このサイトでは、フィールド層、ビルOS層、アプリケーション層の順で技術と導入の目的を並べています。ビルOS(建物データ連携基盤) 要素技術の一覧

省エネの等級は、定義に入っていない

省エネ基準の等級や、ZEBの区分は、ガイドラインが定義として置いた三つに入っていません。省エネと脱炭素は、スマートビルが実現しうることの一つです。担うのは、設計の計算が固定した使い方の外側で、運用のエネルギーを下げる部分です。等級との違いと、新築と既存で残す範囲は、別の記事に書いています。省エネと脱炭素で、スマートビルは何を担うか

事例で見る範囲

このサイトの事例一覧のうち、ビルOSの技術が付いている建物と、既存で分野がデータまたはビルOSになっている建物を、一つのページに集めています。その一覧は、各建物が定義の三つをすべて満たす証明書ではありません。掲載は、公開情報の整理です。スマートビルの事例

実務者の視点:一つの製品で完了にしない

一つの製品や、一つのセンサを入れたことを、スマートビルの完了とは書きません。見るのは、機能を後から足せるか、データに基づいて制御できるか、建物の外と連携できるかです。2023年5月の時点で、国内に決定的な定義はない、とガイドライン自身が書いています。

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