Empire State Building ディープリトロフィット
概要
ニューヨークを代表する超高層の既存ビルで、窓の改修や冷熱源の更新など8つの対策を組み合わせ、大幅な省エネを実現した改修事例。その後もヒートポンプの導入や中央監視の高度化を、同じオーナーのほかのビルにも広げている。
基本情報
| 所在地 | 米国・ニューヨーク |
| 新築・既存 | 既存 |
| 建物用途 | オフィス |
| 対象の規模 | 1棟 |
| 時期 | 2009年〜(2025年報告) |
| 事業者 | Empire State Realty Trust ほか |
| 延床面積 | 約25万m²(約270万平方フィート) |
| 改修の時期 | 2009年に計画、2010年から実施 |
| 改修の体制 | オーナーのもと、設備会社、不動産サービス会社、研究機関、国際的な気候変動対策の団体が参画 |
| 省エネ改修の費用 | 約2,000万ドル(建物全体の再生計画は約5億5,000万ドル) |
取り組みのポイント
- 約70の省エネ策を比較検討し、効果と費用のバランスから8つに絞り込んだ
- 6,514枚すべての窓を現地で改修し、既存材料の96%以上を再利用しながら断熱性能を高めた
- 放熱器の裏に断熱材を入れ、熱のロスを減らした
- 既存のチラーの外殻を生かして内部を更新し、インバーターと制御を改善した
- 中央監視の制御を更新し、建物全体に計量メーターを設け、テナント向けのエネルギー管理システムを導入した
- 省エネ量を事業者が保証するパフォーマンス契約で実施した
成果・目標
- 当初の改修で、エネルギー消費量を38%削減(2010年以降、毎年検証)
- 光熱費を年間約440万ドル削減、投資の回収は約3年
- 15年間で10万5,000トンのCO2排出削減を見込む
- その後の取り組みも含め、2025年の報告では2007年比で49%のエネルギー削減
採用している要素技術
技術レイヤーの下から順に並べています。
この事例が当てはまる課題
他の建物に活かせる視点
歴史的な建物でも、窓や熱源など既存の部材を生かしながら大幅な省エネができることを示した事例です。多くの対策を比較して費用対効果の高いものに絞り込んだこと、計量と検証の仕組みを整えて成果を毎年確認していること、テナントの使い方も含めて取り組んでいることが特徴です。既存ビルの改修では、対策の選び方と効果の検証方法を最初に決めておくことが、投資判断の説得力につながります。
出典
- Empire State Buildinghttps://www.esbnyc.com/about/sustainability内容確認済み(2026年10月4日)
- RMIRMI 改修の成果報告https://rmi.org/resources/blog_empire_state_retrofit_surpasses_energy_savings_expectations/内容確認済み(2026年10月4日)
- Clinton FoundationClinton Foundation 発表https://www.clintonfoundation.org/press-and-news/general/empire-state-building-program-saves-millions-establishes-energy-efficiency-model-nationwide/内容確認済み(2026年10月4日)
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日本、EU、米国、シンガポールなどの建物に関わる脱炭素政策を、種別、主要な時期、建物への影響とあわせて整理した比較表です。